カッサツィオーネ(最高裁判所)刑事部第6部による2021年判決第37509号は、公務員による収賄罪と詐欺罪の区別に関する刑法分野における重要な判例です。本件では、地方学校事務局の職員C.N.が当初収賄罪で有罪判決を受けましたが、サレルノ控訴裁判所は後にこれを不当利得誘発未遂と認定し、刑を減軽しました。最高裁判所は、この判決を破棄し、関連法規の適切な適用と法原則に注意を喚起しました。
最高裁判所は、収賄罪と不当利得誘発罪は、いずれも公務の濫用に関わる犯罪ですが、本質的に異なると明確にしました。収賄罪では、公務員が私人に不当な利益を約束させるよう強要しますが、詐欺罪では、公務員が被害者を欺き、その給付が正当であると信じ込ませます。判決は、収賄罪の構成要件においては脅迫または強制の存在が不可欠であるのに対し、詐欺罪においては欺瞞が中心であると規定しています。
不当利得誘発罪と詐欺罪の区別は、前者の構成要件では、私人が提供または約束した給付が正当でないことを完全に認識しているという事実にあります。
本件では、C.N.は自身の地位を濫用し、年金手続きの解除のためにD.M.V.A.から1000ユーロの支払いを受け取りました。控訴裁判所は、D.M.が不正行為を認識していたと誤って判断しました。しかし、最高裁判所は、被害者が欺かれており、したがって要求の違法性を認識できなかったことを強調しました。この法律の誤った適用は、犯罪の認定における混乱を招きましたが、むしろ詐欺罪として考慮されるべきでした。
カッサツィオーネ(最高裁判所)刑事部第6部による2021年判決第37509号は、特に公務員による犯罪の場合、行為の適切な法的認定の重要性を強調しています。この判決はサレルノ控訴裁判所の判決を破棄し、法原則が尊重されるよう、新たな審理のために事件を差し戻しました。本件は、イタリアの法制度にとって重要な教訓となり、様々な犯罪間の区別を明確にすることが、適切で比例した正義を確保するのに役立つことを示しています。