カッシアツィオーネ(最高裁判所)民事部第3部の判決第36638/2021号は、民法と刑法との相互作用、特に交通事故による損害賠償の場合における重要な明確化を示しています。同裁判所は、刑事裁判での無罪判決が、直ちに民事上の責任がないことを意味するものではないと判断し、民事裁判官による事実の独立した評価を可能にしました。
本件は、交通事故で死亡した者の相続人が提起した損害賠償請求を一部認容したローマ控訴裁判所の判決に対し、Groupama Assicurazioni S.p.A.が上訴したものです。控訴裁判所は、第一審判決とは異なり、当該運転手が刑事裁判で「事実が犯罪を構成しないため」という理由で無罪判決を受けていたにもかかわらず、運転手の責任を認定しました。
カッシアツィオーネは、民事裁判と刑事裁判の自律性を確認し、刑事裁判での無罪判決が、民事裁判での責任認定の可能性を排除するものではないと判断しました。
同裁判所は、いくつかの基本原則を改めて強調しました。
特に、同裁判所は、民事裁判官は刑事裁判官が認定した事実に拘束されず、利用可能な証拠を自由に評価し、責任を判断するために「可能性がより高い」という基準を適用する権限を有することを強調しました。
判決第36638/2021号は、民事責任と刑事責任の区別を明確にする上で重要な一歩であり、民事裁判官による詳細かつ独立した分析の必要性を浮き彫りにしました。この判決は、弁護士や法曹関係者にとって重要な示唆を与え、各事件の特殊性を考慮すること、そして刑事裁判での無罪判決が民事責任に影響を与えると当然視しないことの重要性を強調しています。